パキスタンでは地下水位が毎年1m下がる

普通なら6月の最酷暑時期だというのに、3日は深夜1時半頃から雷鳴、雹の混ざった豪雨が明るくなるまで続いた! 広い屋上はスイミングプールのようになり、ごく家中の一部では配管でも詰まったものか、雨漏りが始まる始末だ。午後になっても雲は低いまま、窓を開けていると吹き抜ける風が涼しく思えるほど。ようやく午後5時になって晴れ間がチラっ見え、たちまち気温は34度。それにしてもなんと有難い夏であることか。例年ならば最酷暑のこの時期、流れる落ちる滝のようにも見える黄色の花ゴールデンシャワー(藤の花のように房状に垂れ下がる)が、まだ蕾もつけていない。
我が家はインド亜大陸の平原部が終わるヒマラヤ隆起の始まり、マルガラ丘陵まで3kmくらいのところにあり、家の周辺部が大昔から降雨の分岐点付近かも。イスラマバードでもオバハンの暮らす地区から数kmばかり西へ行くだけで雨を見ることが少なくなり、樹木が極端に減る。さらに10kmも南や西へ行けば茶色に荒れ果てたような平原が広がり、最近では家庭で使う地下水の汲み上げもままならないほどの渇水とか。雨に恵まれているのは首都圏でもごく僅かな地域らしい。
世界水資源機構というのがあって、そこでは「パキスタンの地下水は主に飲用・農業目的での使用により、地下水位が毎年1m下がる」と警鐘を鳴らしている。水の管理・・考えただけで大変なことだ。もう20年近くも昔から「オイルの次は水をめぐって戦争になる」と言われて来たが、真面目に先を考えれば気の重いことばかりだな。