生きものの命は悲しかるらん

昨日のブログで「生き物なら(蛇以外は)何でも大好きなオバハン」と書いたが、思い返せば、このすべての生きているものに対する愛おしさは、物心がついたころより繰り返し教えられて来た父親によるものだ。オバハンの父親は20歳になる頃から天皇制の反対などをも唱えた、いっぱしの反戦活動家だった。甲種合格の立派な身体にもかかわらず戦地へは送られずズ~ッと獄に繋がれていたし、戦後30年を経ても、父が亡くなるまでは公安数人が毎週のように家へ出入りする環境の中でオバハンは育った。
その父親から子守唄のように聞かされたのが、室生犀星の詩「生きものは悲しかるらん」だ。序詩は「生きものの命をとらば、生きものは悲しかるらん。生きものを悲しがらすな、生きものの命をとるな」だ。そして、この詩は今もふとした時にオバハンの口にのぼる。もの心が付いた時から我が家には何時も犬猫鶏など生きものがいた、時には犬が数匹の時も。魚屋・鶏肉やへ行って犬たち用の餌を貰って来るのはオバハンの役目だった・・
一億総玉砕が叫ばれ、人命が軽んじられていた戦局厳しい昭和18年頃に書かれた、室生犀星の「生きものは悲しかるらん」「いのち大切」のメッセージは多くの人の共感を呼んだことだろうし、今も教育の原点であろうと思う。
日本の政治家や多くの役人に欠けているいるもの・・いのち大切にと思う心ではないかしらン。