未練がましいオバハン

6-7年も履き倒し、底が薄くなり爪先や小指側の側壁にも当て布(皮)をしたボロの運動靴。実は1ヶ月半前に泣く泣く捨てたことを未だに後悔している。新しい運動靴はネットで購入、息子が2ヶ月前に日本から持って帰って来てくれた。が、新しい靴には「木靴か登山靴」を履いているかのような違和感がある。捨てた古い靴は歩いていても足音がしなかった上、裸足で歩いているかのようにオバハンの足に馴染んでいた。ああぁ~誰か、この新しい靴を2~3ヶ月ほど履いて柔らかくしてくれないかしらン?
野外大バザールへ行けば「中古靴」専門のコーナーがあり、およそ70店くらいが軒を連ねている。もちろんパキスタン製の新品を扱う店も数十店並んでいるのだが、オバハンは30年以上もの昔から近年まで、1足400円くらいの中古靴で過ごして来た。生まれ持っての「始末屋=近江商人の末裔」ということもあるが、中古靴はすんなり足に馴染む快適さが捨て難い。10年くらい前までは中古靴コーナーはヨーロッパ製の手入れも良く、中古とは思えない品質の物が多くあり、暇にまかせてじっくり捜せば必ず良い靴にめぐり合えた。一時は「フィリピンのイメルダ夫人のようだ!」と言われるくらい、オバハンは中古靴(殆どがブーツ)をため込み、悦に入っていた時期もあった。ところがこの10年、中古靴屋に並ぶのは殆どが中国製だ。見た目はおしゃれだが、履き心地にはヨーロッパ製のものと大きな差があるから、贖うのを一切やめた。
冬場、大理石の床は冷えるからと、1年中裸足でいても支障がなかった長年の習慣を改め、靴を履くようになった今、裸足感覚で履ける靴が欲しいよぅ~~