クエッタ地震

TVニュースの画面から地震の全容が徐々に判って来た。余震が続き、家を失くした被災者は4万人、負傷者は3万5600人、犠牲者も300人近くと増え続けている。壊れた家の多くは細い柱が入っただけの日干しレンガ(もしくは、単なる泥)積みで、それを手作業で掘り返し家族を捜す映像も3年前を思い起こさせる。 とはいえ3年前のパキスタン地震に比べるとスケールは10分の1くらいと小さい。(パキスタン地震:国連発表では死者8万7000人、被災者400万人)
そのせいか、ニュースにも「被災者支援」に対する熱気があまり感じられない。パキスタン国民の多くから見れば、クエッタは馴染みが薄い。そこからさらに2~3時間も山の中のジアラット近くなど…外国にも等しい。ジアラットは、かっては美しい樹林帯の中の避暑地として一部には知られていた。しかし、ここ数年、治安の悪化でクエッタの金持ちたちも足を運ばなくなったと聞く。

ジャパン・プラットフォーム傘下の大NGOが、被災者支援の方策を探っていて下さるそうだが、現地はパキスタン地震の時とは異なり、なかなか大変だ…。 ごくごく最近の様子を知らないが(改善されたとは思わないから)少なくともクエッタから郊外へ外国人が自由に走れるような状況にはないと思うべきだ。政府とクエッタの部族関係者との数々の摩擦。ムシャラフからPPPへと政権が変わったからといって、解消されてはいないと思う。 
政府関係者の多くも政府ナンバーの車ではクエッタから外へは走らないように気を付けている現状では、外国人が支援活動だからといって自由に出入りが出来ないだろう。走るための許可、護衛をつけるなど…なかなか大変な支援となるのが目に見えるようだ。