母子保健指導センターが本格的に稼動

ギルギットの「母子保健指導センターMCHC」について、詳しいことを書いていなかったことに気がついた。

パキスタン北方地域の概要は先般チラリと書いた。ギルギットは、その北方地域の中心にあり人口は10万人を超えている。が、町の中心部は3kmくらいのほぼ1本道だから、10万の人口というのは近隣村を含めたものだと思われる。ギルギットは、さらに奥地のフンザ地方(イスマイリ派)に比べると宗教色が非常に強く、バザールでは女性の姿を見かけない。仮に女性を見かけたら、それはイスマイリ派の女性だと思っても良い。
ギルギットの中心に暮らす昔からの住人は、宗教色の濃いことを誇りに思っているから、それが薄まる可能性は少ない。従ってフンザ地方の人々のように開明的でもないし、大らかでもないので外部からの支援団体がギルギットで活動することは難しい。
さらには支援団体のすべてがルーラル(農村)を目指すため、ギルギット(都市部)に住む女性には、何かを学びたくとも機会がないという矛盾があった。オバハンの見解では、ギルギットが都会だとも思われないが、まぁ、周辺部との比較の問題であろうから、それはさておく。

いずれにせよ、そうした難しいギルギットに母子センターを創りたいと考え、34年もの年月をかけたのだから、オバハンは執念深い性格なのだろう…。
お陰で??ギルギット現地では、初の自前のセンターを持ったNGOとして日パ・ウエルフェアー・アソシエーション(NWA)は高く評価された。(どこの地方でも、大概の支援団体は借家に入り、腰掛的な活動をするため)

NWAのコンセプトは、貧しい女性たちが気軽にセンターへ来られるようにと、化粧やアクセサリーの禁止。シンプルな服装。シンプルな生活の指導を従来からしている。とかく女性が集まれば、服装など等、競争になり易い。

センターには栄養指導(料理教室)、健康相談室、初等母子保健指導教室、識字と縫製教室、編み物教室③、コンピューター教室①、大ホール② 、メトリック(10年生)合格を目指すための英語・数学の補習教室など等を備えている。また、日本からボランティアに来る人のためには、併設の宿舎もある。
栄養指導(料理)を通して無駄のない生活や、ソーラークッカーの普及にも努めようと、オバハン自身は欲張っているのだが、さてさて、どうなりますか…。

1日おきの無差別的な停電のせいで、ジェネレーターが入らないとコンピューター教室は稼動出来ないが、これまでに34年間もかかったことを思えば、まぁ、慌てることもないし…。