針のムシロ

拉致韓国人を解放した後、タリバーンが「今回の拉致事件は成功。また外国人を拉致する」との声明を出している。確かに経費のかからない優れた戦略と言われれば、その通りだと妙に納得してしまい、ますますオバハンも気軽にアフガンへは行き難くなった…

今回は、誘拐・拉致された時の「国際ルール、取り決め(交渉に応じない)」を韓国政府が破ったとして、タリバーンに「ほ~ら、見てみろ! 米国がテロとの戦いで同盟国を支援しないのが分かったろう!」と世界中に宣伝させてしまった… 
韓国政府は、ある意味、不運だったと言える。イタリア、ドイツ、スイス人たちも誘拐されてはいるが、その人数が少なかったこともあって、あまり大ぴらにもならずにタリバーンと直接交渉が出来たと思う。
当地では、タリバーンが韓国政府という1つの国と対等に交渉したことで、「ほ~~ タリバーンは外交権を世界に認めさせたなぁ!」との空気も広がっている。

アフガン現地の治安を確保すべきアフガニスターン政府軍や多国籍治安部隊(米国が中心)などは、「テロに屈してはならない!」との掛け声は勇ましいものの、タリバーンと韓国政府の直接交渉を黙認。直接交渉とは言え、アフガン政府の協力がなかったなら不可能なことを思えば、そして今後、幾つも生じるであろう「拉致」問題を想えば、韓国政府を責めるだけではなく、アフガン政府や治安維持を担当する米国にも責任がないとは言えない。

一部、伝えられるところでは23億円もの身代金を払ったと報道されている。
政府は身代金として支払った金額だけではなく、事件の解決にかかった費用を拉致被害者、教会に請求するらしい。中には、(仮に23億円として)「そんな巨額な身代金を払って欲しいと頼んだ覚えはない!」と開き直る人もあるかもしれない…
身代金の大きさ、韓国社会からの非難、無事、生きて帰国しても彼らも針のムシロだ…。

でも神の思しめ、生きることを許された命、しっかりと生き、社会へも貢献、自分にも納得できる生き様を見せて欲しいと、オバハンは心から念じている。
生きていればこそ出来ることがある…