停電のない暮らし

テロなどの脅威で、まだ選挙(投票)に至っていない地域もあり、選挙違反も多々あったようだが、総選挙の結果は出た。ザルダリ政権下での首相以下、大物が軒並み落選した。

この5年間PPPパキスタン人民党が率いる政権下、国民はよく耐えたと思う。国民はどこまで我慢をするのか?と毎日のように思っていたから、暴動にならなかったのが本当に不思議だった。
思い返せば、この5年間の物価の値上がり。それと共に電気なし、ガスなし、燃料なし、水なし日常生活。首都でも8時間、都市部でも毎日10時間の停電。すこし郊外へ行けば16~20時間の停電では、軽工業や基幹産業の綿織り産業等々は稼働出来なかった(マーケットでは日常品も品薄か、高額になっていた)
 
その結果、大手生産業者の多くは人件費が安く、パキスタンよりは遙かに電力事情の良いバングラデッシュへ生産工場を移した。ちょうど1年前にエチオピアへ行く機会があったが、おなじ飛行機で乗り合わせたビジネスマンもエチオピアで綿製品を作っていると言っていた。

一度、生産基地を海外へ移してしまえば…日本と同じで空洞化が進み、国内では失業者がますます増える。強盗や誘拐も多く、うかうか暮らしてはいられないとパキスタン人たちでさえも嘆く生活だ。
本当にPPPパキスタン人民党は、国民のためには何もしない政権だった。賄賂を取り込む以外は、何もしなかった!!!

親の代からのPPP支持者だったという人たちの多くも、PPPを見限ったと言う。今回の総選挙の結果が如実にそれを表している。シャリフ元首相が3回目の政権に戻る、少しはましな生活が戻って来るのだろうか? 
とりあえず11日投票日から首都では停電がない。久々に停電のない暮らし、重い発電機の音が心臓を圧迫することもなく、電気製品の故障に頭を悩ませなくてもよい日が何日間、続くのかな?