オランダの連立政権が崩壊

オランダの連立政権がアフガン派兵の延長をめぐって対立、ついには崩壊したニュースを過日より見て感心している。6月の総選挙で派兵延長をするのか、どうか今の段階では未定にせよ、アフガンへ派兵をしている欧米諸国に与えたインパクトは大きいと思う。いやぁ~連立解消に踏み切った労働党の勇気を讃えたい、大したものだ!

このところアフガン関連の報道としては、ヘルマンド州での多国籍軍NATO軍、アフガン国軍による今までにない大がかりなタリバーン掃討作戦が伝えられている。そしてタリバーン掃討に成果を上げているような報道も見受けられる。 「タリバーンは主要拠点である同州マルジャ地区などで抵抗を続けていると述べる一方、作戦ではすでに幹部の拘束など一定の成果が挙がり、タリバーン側に打撃を与えていることを強調した」と。

ところがヘルマンド県なるところは九州と四国を合わせたくらいの大きさであり、その隣のニムローズ県やファラー県もそれぞれが四国ほどの大きさだ(3県で北海道2つ分くらいかな?)。 その大きな地域に暮らす住民は3県合わせて百数十万人前後であろうか。 今回、タリバーン掃討作戦の中心になっているマルジャなる場所は地図にも載らないような小さな村だ。早い話がマルジャにしても、中心の町ラシュカル・ガーだったかにしても、その周辺何十kmだかは土漠が広がるだけの人口密度希薄な土地柄だ。人影など捜しようがないくらい遠く離れた個所に数軒から数十軒ほどの村が点としてポツポツあるだけの地域だ。
そこで、何万人ものISAFNATO軍、国軍がどんな掃討作戦を展開しているのか?? 政府やアメリカの垂れ流す情報だけを読んでいるのと、現地の地勢を勘案して想像をめぐらせれば、オバハンには報道に対する疑問しか浮かばない。

アメリカ様は口を開けば、「アフガンをテロリストの聖域にせず、米同時多発テロのような攻撃の再発を許さないという、非常に重要な理由があることを忘れてはいけない」と訴えるが、オランダの労働党のように連立を解消してまで派兵反対をする心意気。このアフガンに対する不毛な内政干渉を続ける意味があるのか、ないのかを、我々も考える必要ありと思うが。