アメリカへの抗議

過日、アメリカの国防長官が「アフガンとパキスタンの国境付近に無人武装機による越境ミサイル攻撃を、パキスタン政府も承知している。今後も続行する」とした方針を明らかにした後、パキスタン政府(ダボス会議で首相も)改めて、「認めていない」との声明を出し、抗議した。
国境付近にに限らず、パキスタン国内に軍事上重大な問題が生じた時には、アメリカ(ブッシュ)はパキスタンの承諾を得ることなく、軍事行動を起こすことが出来る等、なんとも唖然とするような「ことがらを」を自分たちで承認しているお国だから、アメリカの勝手な言い分は今さらでもないが、それにしても傲慢さが過ぎる…

いまも当地のTVで、米軍による無人武装偵察機攻撃機)の飛行映像を見ていたが、実に不気味で卑怯な存在だと思う。 自分たち米軍のリスクは極小にして、内通者による情報などを基にして攻撃するなどということが、許されて良いわけはない。彼らは内通等によってテロリストが居る場所を特定しての攻撃であるとは言うが、村々には小さな利害が対立して互いに敵対する者も多い。村人の悪意ある内通もあると聞く…

パキスタン政府の度重なる抗議にも耳を貸さず、越境ミサイル攻撃は激しさを増している。その結果、地域住民だけではなくパキスタン国民の、さらには多くのイスラーム教徒たちの反米感情を募らせているだけだというのが、どうしてアメリカには分からないのであろうか?

米軍のイラク攻撃、大量破壊兵器を持っていると言い募っての攻撃だった。アフガンへの攻撃はオサマ・ビンを逮捕すると言うものではなかったか? どちらの目的も達せられないまま、目標がどんどんとズレて戦争(紛争)を拡大して行く不思議さ。もちろん世界は動いているのだから、目指すところも変わってくるのだろうが、イラクとアフガン攻撃に対してはすり替えが酷すぎる。
そして今、イスラエルパレスティナ問題が大きく再燃だ。イスラーム教徒の側に問題があるように報道されがちだが、イスラエルを陰に日向に支援するアメリカのダブル・スタンダードも問題だ。
パキスタンでも、ネットによってイスラエルアメリカへの抗議署名が集められるようになっている。