アフガンで日本人の拉致

朝晩の涼しいギルギットから急遽、蒸し暑いイスラマバードへ戻って来た。 今朝は雲が多く小型機が飛んでくれるのか、どうか?と案じられたが、ほぼ時間通りにプロペラ機が谷間の向こうに見えたと思ったら小さな飛行場の小さな小さな空港ビル前に着陸。 アフガンでの日本人拉致がどんなふうな展開になるのか分からないというのもあるが、急に事務所での仕事も立て込み、気分は慌しい。

日本の報道では、昨日のアフガン政府発表「誤報」を警戒してか、さしたるニュースは載っていない。 しかし空港から事務所へ向かう車中で聞いた情報では、アフガンの地方紙(Pajhwok Afghan News)には、村人と武装集団との銃撃戦で日本人が死亡と載っていると…。情報が錯綜しているアフガンの事ゆえ、事実かどうかを関係者たちは必死になって確認を急いでいることだろう。もし事実なら…物凄く残念だが。

日本では、「現地の信頼厚いはず」 「古くから支援に尽力してきたペシャワール会のメンバーですら狙われるのは、長年、戦争が続き、教育が行き届いていない。NGOの存在が理解されていない」 「ペシャワール会は、徹底的に地元密着型で活動しているという。現地で恨まれることは考えにくい」等と指摘をしている人たちがいたが、多くの日本人は「支援活動」を少し考え違いをしているでは??

タリバーンにしろ、武装集団にしろ、各々信じるところに拠って行動している。その価値観がまったく異なる集団に向かって「地域住民のための支援だ」などという善意は通じない。  また、昨日も少し書いたが、受益できない人たちからは大いに恨まれていると認識すべきだろう…。 支援活動では利益を受けることの出来た10人が(その恩恵をもたらした神へ)感謝し、後の10人は利益をもたらさなかったNGOを恨むと考えるべきだ。
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日本からの報道陣に対し、在パ日本大使館では「遺体確認」の談話を発表するようで、昼ごはんも食べずに報道陣は飛んで行った。昨日は「解放」とのニュースが流れただけに、暗転の結果を迎え、ご家族の心痛は如何ばかりか…