改憲がもたらすもの

参院選が終わった。自民党憲法改正に必要な3分の2を参院でも確保した。
選挙前の事前調査で、年配者たちよりも若い人たち改憲の気が高まっているとあって、実は凄く驚いた。
自民党は、秋の臨時国会から憲法審査会で議論を進め、民進党を初めとする野党にも理解を求めていくとしているが……結果ありきの議論では、そしてどうしても改憲したい安倍であっては、悲しいかな結果は見えている。改憲反対派がどこまで踏ん張れるのか、単なる時間の問題だけかもしれない。

1か月ほど前に(本当か嘘か確認は出来ないが)、ISが『キルリスト』を公開したという。そのキルリストには約8318人もの名前があって、大半はアメリカ人であるが、うち約70人が日本人だという。おそらく日本人の中で、「反イスラームを訴え、対策を講じる立場にある政府の関係者」ということになるのであろうか。

15年くらい前までは援助大国の日本だった。途上国での無償援助などで「日本」の国名は一般庶民にまで好意を持って受け入れられていた。日本からの援助専門家や技術者は皆が皆、争わない穏やかな方々であった。世界中の途上国で、平和的な日本人として尊敬を受けて来たであろうことは間違いない。

日本は戦争をしない国として憲法9条を頑なに守って来た。これまでの日本は平和主義だった。
だが、日本政府が安保法(集団的自衛権)により、日本は、アメリカとともに戦うことを世界に宣言して以来、その宣言はISなどイスラムテロリストに対しても届いているに違いない。届いていない方がオカシイ。
憲法9条を守っている平和国家の日本人であるから、テロリストに狙われないと考えることは勘違いも甚だしい。だが、だからと言って憲法9条を変えて良いということには繋がらない。
憲法の改正により、これからの日本はテロリストからアメリカと同一視され、今後はますます命を狙われて行くことと覚悟をするべきだ。