ファトワ(宗教見解)

1日未明から、タリバーンのwebページにアクセスが出来なくなった…
1回目の交渉期限通告後の7月22日からは更新がなされていなかったが、気になるので毎朝晩、覗いていた。たぶん、アチコチからのメールがいっぱい届き、煩わしくなったのだろうか。

韓国の報道官は「人質問題の解決過程で、国際社会が堅持してきた原則的立場をよく知っている」と述べる一方、「多くの貴重な民間人の生命を救うため、原則的立場を柔軟に適用することは人道的観点からも十分な価値がある」と主張している。まぁ、どちらの立場も解るわなぁ~~~
拉致現場に近いガズニ州のスポークスマンの話として、「タリバーン側は駐アフガン韓国大使との面会に同意した」と報道されている。おぉ~~~、タリバーン側も大きなリスクを侵すわけだ…

タリバーンと韓国政府が直接会って交渉する準備を始めたのは良いとして… 
でも、多くのタリバーンを拘束、収監しているのはアフガン政府なんだけど… 
いくらタリバーンと韓国政府代表が話し合っても、アフガン政府がタリバーンの釈放に「うん」と言わなかったらどうなるものでもあるまい… 
アフガン政府(カルザイ大統領)は欧米からの強い圧力の下、易々「うん」とは言えない筈だし。

ましてや、3月だったかにイタリア人記者と引き換えに釈放したタリバーンの指導者が、「外国人の拉致は有効な戦略で、今後は外国人の拉致に励む」なんてことをメディアのインタヴューで堂々と答えているから、アフガン政府としては収監中のタリバーンを何としても釈放できないだろうと思うが。
おまけにタリバーン側が釈放して欲しいと要求している8人のうち、1人は駐留米軍に拘束されているというから、これは100%無理な話だわ。
タリバーンは韓国代表に対し、米国やアフガン政府に説得するよう促すつもりとみられていると報道されているが、不可能に近い状況が解らない彼らタリバーンは国際政治に疎いと思う。

ただ、朝日新聞のみが報道しているが、「消息筋によると、人質を管理するタリバーンの司令官は、軍の動きを受けて『人質をどうしたらいいかファトワ(宗教見解)を出してほしい』と宗教指導者に要請したという」
いよいよ宗教指導者のお出ましだ…
心に神を持つ欧米人や、アッラーの神に全てを委ねて生きているイスラーム圏では、人質解放に大きな役割を果たすのは、必ず宗教指導者だ。どんな荒くれ者も、宗教指導者の言うことには耳を傾ける人が多い。かって、早稲田の探検部が武装強盗団に誘拐され、30数日間人質になっていた時も、解放に尽力したのは武装強盗団の信心する聖者さまだった…
今回は政治的な思惑が絡んではいるが、宗教指導者の言うことにはタリバーンも耳を傾けるだろうと、オバハンは期待するのだが…