全滅!

家の前道路を挟み約1000坪くらいの空き地があって、1ヵ月半前そこにコスモスの種を盛大に蒔いた。10年近く建設を廻って揉めている土地なので、仮小屋だけがあって番人以外は住んでいない。家畜の餌にと雑草などを刈り取る人が自由に出入りしているし、オバハンも犬たちを連れて自由に歩く。
オバハンが子供の頃には市街地から一歩離れると田畑が広がり、春になると赤紫色の蓮華の花や、黄色い菜の花が山の麓や湖の際まで一面に咲き乱れていた。子供心にもそれはそれで美しいと感じたものだが、小1年の折に引っ越した家の庭一面には、その時コスモスが満開で・・そこで初めて「花」を認識したと想う。花屋さんへ行けば色とりどり薔薇や百合などの花も購えたが、敗戦後数年の時代では余裕がないと花など植えられなかったのではないかと想ったりもする。以来70年以上、コスモスを眼にするたびに郷愁を感じている。コスモスには派手な美しさが無い、その自己主張のなさが好きだ。
原産地はメキシコとあり乾燥に強そうなイメージだが、その実、乾燥にはさほど強くもないし、日当たりが悪いとダメだし結構繊細な面を持っている花だ。パキスタンではキバナコスモスをたまに見かける程度で、ごく普通のコスモスはあまり見かけない。
数年前、日本の友人から種を貰って以来、自宅で真夏と真冬以外の1年の半分以上を楽しませてくれるコスモス。たくさんの種を無駄にしたくないからと、今春は家の前の空き地にも蒔いたが、昨日は空き地にブルドーザーが入り、きれいに地ならし・・コスモス全滅ではないの・・ちょっとガックリ来たな・・