カラチ洪水

午前10時、イスラマバードは外気温は23℃、珍しくシトシト音もなく静かに降る小雨。4ヶ月ぶりの低い気温、屋上で小雨に濡れながら微風を楽しむと肌寒さを感じるくらいだ。深呼吸をすると冷えた空気が肺の奥までも染み入る、なんと有難いことか!    
今夏はイスラマバードでも雨は多いが、カラチを中心としたパキスタン南部での洪水は何年ぶりかで酷い。8月だけで345㎜の降雨、16年前の298㎜を抜き90年ぶりに記録更新とあるから、念のために調べてみると1967年の7月には429㎜という記録があった。何でも鵜呑みにしないことだ。   
カラチはもともと砂漠気候に属しているから、年間200㎜前後が夏の2ヶ月間に降るくらいか。イスラマバードの年間降水量は941㎜とあるが、40年前パキスタンへ来た頃の平均降雨量は600㎜だったとの記憶。いずれにしても日本の年間平均降雨量1700㎜からすれば少ない。     
パキスタン全体、そして人口2000万人以上の大都市のカラチでは当然、排水設備は殆ど整備されていない。 昨夏もモンスーン時にはごみの山で詰まっている排水溝を中心に蠅が大発生、赤痢など消化器系の病気が普段の3倍だったとニュースにはあった。     
洪水そのものは悲惨なのだが中には笑いを誘う写真もある。足の立たない水深のあるところは、大きな水ボトルを抱えて浮袋代わりに泳ぎながら浅い所まで行く人。シンド州政府推薦?というウソのような動画「無料のテーマパーク」は、4階建てビルの上からたまった水の中へ高飛び込みをして見せる若者たち。腰まで水につかりながら、それでもお茶や食事の用意をする主婦。ただ、感電死の多いのは悲惨だ、この夏だけで20人以上は感電死しているのではないかな。
雨は今月末、9月上旬までまだまだ降ると。