マララがイギリスの大学を卒業した。ついこの間、入学したような気がするのに、もう4年も経ったのかと驚いている。マララが武装勢力から銃撃されて約8年、オバハンの2012年10月のブログには銃撃されたマララを案じた記述がある。 銃撃事件後しばらくして、新聞記者、何人もからの聞き取りを経て、生じた「銃撃」への疑問が最大になったのは、「マララの自伝」を読んでからだ。
オバハンだけではなく、自伝を読んだパキスタン人の多くが同じことを考え、「この襲撃事件には裏がある」と。パキスタンで暮らし日常を知る者なら、誰もが感じる単純な疑問など等だ。
あの当時の国際機関は「2000年ミレニアム開発目標」として2015年までに達成すべき8つの目標を上げていた。そのうちの1つが初等教育の完全普及の達成ということだったが、成果が上がっていなかった。2012年頃の世界では3人に1人の女の子が教育を受けられていなかった。そして、この痛ましいマララ事件で「世界中が女の子へにも教育を」と目を向けた。
マララと共同執筆者による自伝、何ヵ所も疑問を感じたが、最大の疑問は「スクールバスに銃撃者2人が乗り込んで来て、おまえはマララか?と聞いてから発砲した」という箇所だ。パキスタンのスクールバスはスズキの軽トラ、あるいはトヨタハイラックスに幌を掛けたものが普通だ。オバハンは(物好きにも)マララが下校時に乗っていたスクールバスと同じ車を実測した。荷台幅150㎝弱 長さ180㎝強の荷台の壁沿いにベンチが2つ。幌の高さは約150㎝だが中に3ヵ所、持ち手が付いているので実質140㎝の高さしかなく、小柄なオバハンでも背中を丸めねばならない。
その狭い荷台スペースに襲撃者が2人乗り込んだら、男はやや屈みこみの姿勢でマララと顔を接して撃つことになる。大型拳銃から3発撃ったにもかかわらず、マララの負傷は頭蓋骨をカスって?鎖骨だったかで停まったと。どんなヘボイ拳銃か。
国際機関が目論んだように、マララは世界の子供たちの就学率を高めた。しかし襲撃事件後の2013-2015年のパキスタンでは、初等教育への就学率が(聞き取りや調査によると、マララ事件のせいで)やや下がり、横ばいでしかなかった。
この事件に関してはバックグラウンドも含め書くことが多すぎだ、書き出したらキリもない。国際機関も結構あざとい演出をすると想うが、マララのなした役割は、相応の成果をあげた!!