中村先生は「真心は信ずるに足る」とおっしゃるが、後期高齢者になっても出来そこないのままであるオバハンは、当地に40年以上も暮らしていながら未だに丸々100%、当地の人々を信じることが出来ない。10年以上も寝食を共にし、息子のように可愛がっていたアフガン人と一緒に行動している時も「もしかしたら誘拐されて売り飛ばされるのではないか」という、一抹の不安が常にあった。
アフガンの人々はパキスタンの人々に比べると穏やかでソフトに見える。が、そこに一旦、利害が絡めば本能がむき出しになる。息子のようなアフガン人に、どうしても大金を必要とすることがあったなら、オバハンは誘拐されていたであろうと想う。
アフガンにいる間、政府から派遣されて来た護衛のアフガン兵士から金を出せと銃を向けられたこともある。アフガンだけではなく部族地帯を移動中にも政府から護衛にとつけられた警官から金を出せと銃を向けられている。銃を向けられなくとも、それ以上の緊迫した状態に陥ったことは何度もある。さらには迂闊にも銃撃に巻き込まれ弾が左足を貫通もしているが、そんなこんなの状況は運よく凌いでいる。もっと書くなら現地の人々に騙されたのも数、数え切れない。が、万万が一、ここで事故に遭い命を落とすことになっても、それは本望ではないが誰をも恨まない。
中村先生は疑うことをしない信条で生きて来られた。オバハンと同じに何度も何度も裏切られ騙されておられながら、それでも「疑わない」というスタンスで。なんと強いことか、その凄さを改めて認識する。
2019年12月08日
襲撃予告を生かせなかったツケは隣国へ
3日前、友人にメールを書いた。「アフガン政府は中村先生への銃撃をテロだと断定したが、そのうちにテロはパキスタンの武装勢力がやった」と声明を出すことだろうと。
5年に1度の大統領選挙は2ヶ月以上も前の9月末に実施され投票も終わっているのに、選挙違反だ不正選挙だと揉め続け、未だ当選者が決まっていない。ガニ大統領は10月に中村先生へ名誉市民権を贈るなど、様々に目立つことで自国民へアピール、指導力を見せつけたいのだとも。
そしてオバハンが予測したように、きょうの報道では「襲撃犯はパキスタンなまりの言葉を話していた」と。襲撃予告がありながら阻止できなかった不都合を、いよいよ隣国パキスタンにおっ被せようとしているガニ大統領だ。 仮に今後「襲撃犯たちを逮捕した」と発表があっても、その後はウヤムヤになる可能性もある。
パキスタンがインドに対して持つ「被害妄想的」な感情を、アフガンはパキスタンに対して持っている。自分たちアフガンが混乱に陥り、発展を阻害されるのはパキスタンが背後にあって混乱させているからだと。かってロシアのアフガン侵攻によってアフガン国民の3分の1にあたる人々が、難民となってパキスタンに暮らしていたことを忘れたかの言動だ。僅か20年ほど前のことなのに。まぁ、オバハンが恩を着せるようなことでもないのだが・・・
そもそも隣国同士と言うのは世界中を見ても分かるように敵対していることが多く、日本の隣国も常に似たような言動で自国を擁護している。
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2019年12月07日
中村先生のご葬儀
相変わらず寝苦しく、眠りも浅い。気がつけば中村先生のことに思いが飛んでいる。
悲しいお知らせ、中村先生のご葬儀日程などの詳細がペシャワール会より届いた。
12月2日、5カ月ぶりに書いたブログ「続けるわ、今しばらく」の末尾に、日本大使館からの「中曽根元総理大臣逝去に係る記帳のご案内」なるメール、また皇室の慶弔などに対し律義に応じて記帳に行く人に驚いていた非国民のオバハンだ。だが在パキスタン日本大使館で「中村先生逝去に係る記帳の案内」が来たら、日本まで行けないオバハンとしては記帳に行き心から哀悼を表すと思った。戦争反対を唱え平和主義に徹した中村先生と、対米べったりだった中曽根などでは人間の重さが違うってことだ。
それにしても、襲撃の犯行予告を11月中旬にはアフガン政府、日本大使館も確認していたというではないか。計画的に狙われたものなら襲撃を防ぐのは至難だ。だが現場周辺の人々には襲撃犯たちが現地のパシュトーン族か、そうでないかは判る筈だ。常に他人のことを細かく詮索し互いに見張り合う社会なのだ、分からない筈はない。ガニ大統領や現地の州知事が襲撃予告を生かせなかったのは立場が悪い。
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